「娼年」は人間の内面について掘り下げている映画でした

映画

娼年を見た感想!不思議な空気の漂う映画

松坂桃李さんが主演、しかも「ボーイズクラブに所属する大学生の役」ということもあり、公開時、かなり話題になっていましたね。

端的に言ってしまえば「よくこの作品のオファーを断らなかったな」というくらいビックリするシーンも多く、なかなか直視できないような内容でしたが、それだけではない魅力の詰まった作品でした。

かんたんなあらすじとしては、ボーイズクラブで働く大学生のリョウ(松坂桃李)が色々なお客と出会い、女性の欲望に触れていくといった内容です。

ちょっと笑っちゃうようなコミカル(?)なシーンもありつつ、普段は閉じ込めている女性の欲望、それを受け止めてもらえることの喜び、そして登場人物それぞれの抱える事情など、シリアスな雰囲気が流れています。

過激な映画として話題になることが多いようですが、どちらかというと「人間のもつ欲望」「それを隠さなければいけないことへの悲しみ」「孤独」などを描いた、人の内面を表す映画なのではないかと感じました。

欲望をあらわにし、それを受け入れてもらった瞬間にできる「不思議な絆」のようなものがあり、リョウとリョウをとりまく女性たちの関係性がとても美しいものに見えました。

お金を介した関係ですが、リョウが女性たちに残したものは大きかったではないかと思います。

出会ったばかりの女性たちとリョウの間には確かな「信頼関係」が結ばれていたと思います。

映像や音も含めかなり刺激的な描写が多いことは確かなので、そういったものが苦手な方にはオススメできませんが、「人の内面」に興味がある人なら楽しめる作品なのではないかと思います。

冨手麻妙さんの演技に飲み込まれる

耳の聞こえない少女「咲良」役の冨手麻妙さんは、個性の強い役者さんたちの中でもひときわ存在感が際立っていました。

アイドルのような透明感のあるいでたち(経歴を調べたところ、AKB48出身のようです)ですが、その目の奥にある孤独のようなものが感じられて、この子はどういう人生を歩んできたんだろうと、過去についてもっと詳しく知りたくなりました。

かわいらしい容姿と「何を見ているのかわからない瞳」のギャップがすさまじく、たびたび登場するので、映画にメリハリをもたせてくれていたと思います。

リョウを想う女友達の悲しみ

リョウのことが好きな女友達「恵」役の桜井ユキさんの熱演もとても印象的でした。

恵は友達のはずのリョウのことを呼び出し、「リョウを買う」と言い、ふたりだけの時間を過ごします。そのときの恵のヤケクソな表情や言葉がとても痛々しく、見ていて辛くなりました。

「こんなことをしてもリョウの気持ちは自分には動かない」「リョウはもうボーイズクラブの売れっ子で、今一緒に過ごしていても、結局は遠い存在だ」ということを、恵自らが招いた行動により痛いほど実感してしまっている姿がとても悲しかったです。

恵とリョウを隔てる決定的な壁のようなものがハッキリと描かれており、この場面はお話の中でもかなりシリアスですが、娼年を語る上では外せません。

娼年の応援上映なるものがあったらしい

この内容の映画を応援上映で見るって、いったいどんな雰囲気になるの?と思いましたが、ネット上のレポートなどによるとかなり盛り上がったようですね。

ある意味、シーンと静かにしているほうが気恥ずかしいので、いっそ合いの手を入れたりみんなでワイワイ見た方が楽しめるということなのでしょうか?

とはいえ、どこでどう合いの手を入れるのかは悩んでしまいますが・・・結論としては、ひとりでこの世界観を楽しむのもよし、友達数人で集まってキャーキャー言いながら盛り上がるのもよし、といったところでしょうか。

そんな映画、なかなか珍しいと思いませんか?ぜひあなたもこの作品の持つ不思議な空気を実感してみてくださいね。

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